私が入社したのは1992年。それから14年たった今と比べて、研究所の変節は2回あったと思います。 1つは1995年頃、スクリーンインキを主力に転換した時点です。2つ目は2000年の頃、研究開発のスタイルが変わりました。 入社した当時は、現場たたき上げの精神で、「ガンバレ!ガンバレ!」だったのが、いまは、知的レベルでの技術戦略、ノウハウの構築による研究開発というように変化してきています。
人材面では、女性が多くなったことです。当時、女性は数名。製造の現場に行くと「なんでお前が来るんだ!」と言われたものですが、 現在は、男女比4:6です。女性だから不利ということはまったくありません。やっていることは男女ともみな一緒で、力仕事でも同様にやっています。



 化学の基本的な知識はむろん必要ですが、それだけではダメで、プラスアルファーの要素が大きいのです。
 研究所のフィールドは、お客様があっての製品開発です。 営業スタッフと一緒になってお客様対応をしますので、営業センスも要ります。 また、原材料となる資材に関する情報、商品の市場性、商品の設計、構造など幅広い知識が求められます。 最近では、環境基準が厳しくなっていますから、こうした知識も必須です。
 環境基準については、当社の基準があります。それに適合していなければ材料として使用できません。 それを検証するのも研究員の仕事です。1人完結型の研究開発なので、最後まで責任をもつという意味でも必要なことなのです。 実際にあった例ですが、基準書では適合していたのですが、検証の結果不適合だったというケースもありますから、 資材調達先から出てくる基準書を闇雲に信じるわけにはいきません。
 研究員のやることが多くてたいへんそうに思われるかもしれませんが、効率化も進んでいますし、やりがいは大きいはず。 自分が開発した製品が市場に出ると、クルマなどの高額商品は頻繁に買えませんが、 そうでないCDとか携帯電話などの商品は、自分で購入している研究員もいるようです。



 ともすると、「できない」とか「難しい」とネガティブにとらえがちな気持ちを、常にプラスに転換できるようにアドバイスしています。 研究員同士の会話の方向性、思考の方向性がプラスに働いているかどうかを見極めるのがカギですね。 どうモチベーションをキープし、アップさせるか。これは意識の問題ですから、人によって異なります。 その人にあった指導や助言が必要です。褒めて伸びる人材であればそうしますし、多少強く注意しても大丈夫な人には、それなりに、という具合に。
 新入社員の場合は、研究開発には幾つかのチームがあるので、まず、各チームを研修してもらいます。その間に個人の能力とチームリーダーの相性を確認します。 特に、リーダーとの相性は大事です。できる限り新人の要望を汲んで、チーム配属するように心がけています。 自分がやりたい開発に取り組んでもらったほうが、本人も前向きになれますし、仕事の好循環もつくれます。



将来、新しい技術、ノウハウを活かして新しい分野を構築したいですね。経営と市場が許せばですが・・・。