お客様が「これが欲しい」というニーズに応えるのが研究開発のミッションです。 「いまはないモノ」を開発していくわけですから、スムースにいくケースのほうが少ない。 製品化できるまでに困難が伴います。これに立ち向かっていく気持ちが大事ですね。 途中で挫折しない不屈の精神とでもいいますか、何にでもチャレンジすることがすべてといっても過言ではないと思います。 年々商品のライフサイクルが短くなってきていますから、1つの製品を開発する期間は、早いもので1週間。 最大でも、全色を揃えるとなると3ヶ月です。研究所は基礎的な実験はやっていません。 すべてが世の中に通用する応用ですから、比較的のんびり取り組むという環境ではないですね。 それを忙しいといえばそうかもしれませんが、お客様への即応、市場・商品のライフサイクルのスピード、社会の変化に則って研究開発を進めていかなければならないのです。
インキは道具にしかすぎません。開発技術をどう表現するかが重要なんです。 それには、化学的な知識や能力だけでなく、いろんなことに対する興味・関心が欠かせません。 特に市場には興味をもってもらいたい。既に出回っている家電製品、クルマ、携帯電話などの市場性、 販売動向を察知し、実際に見て回ったり、観察したり、新製品が市場に出たら必ず見て回るように心がけてほしい。 生活に必要なあらゆる製品に帝国インキの製品が使われ、役立っていることを実感し、 理解することが研究開発には非常に大事なのです。市場を理解しないで研究開発を進めることなどありえませんから。 組織的には、研究開発グループと技術サービスグループがあります。研究開発グループは、 研究員とパートナーの2人で1ユニットを組みます。 1人2〜3テーマをもち、開発初期段階から製品化の最終段階まで担当します。 研究員1人ひとりが責任をもって仕上げる、これが原則です。上下関係はあまりなく、 緊急性に応じて組み換えがフレキシブルに行えるように、研究員同士はフラットな関係です。 一方、技術サービスグループは、インキだけでは解決できないフォーミング加工などの部品成形もありますから、 こうしたことのトラブル対応、技術指導などを担当し、トータル的な技術サポートをしています。
当社の企業理念に、「全員セールススタッフの精神で」とあります。 研究職というイメージから、実験室に閉じこもって研究すると思われがちですが、決してそうではありません。 営業スタッフと一緒にお客様の声を技術的観点から聞く役割もありますから、営業的センスも必要です。 研究機能は本社だけですから、毎月、誰かしかの研究員が中国などの海外拠点へ出向いて、お客様と対応したり、 技術指導をします。ただ単に仕事をこなすというのではなく、どこの国に行っても自分の力を存分に発揮し、 常に社会貢献しているという科学者としての喜びを味わってもらいたい。それが研究開発の原動力になると思っています。
研究の過程でネガティブになると、開発のスピードも落ちます。 それでもガンバレ!という時代は終わりました。 その場で元気を取り戻せるように声をかけてフォローするようにしています。