ミラーインキのトラブル解決

ライン乾燥機で乾燥させる場合に、曇りが生じてしまいます。これはなぜでしょうか。

質問内容を詳しくお聞きしたところ、状況としては、シリンダー印刷機を用いてミラーインキをPC基材に印刷し、 ライン乾燥で仕上げた目的の輝度が出なく、印刷面に曇りが発生してしまう。
そのため、ミラー面が全体的に白く濁り輝度が出せない現象が起きるというものです。 原因は、初期乾燥から高温で乾燥したことによるものです。

シリンダーで印刷のために、ライン乾燥機を使用する必要があります。 推奨の乾燥条件である80℃・30分の乾燥が行えないので、100℃.2分の高温で短時間の乾燥を行ったため、
印刷塗膜中の溶剤を乾燥すると同時に高温になってしまい、原反のPCシートを侵してしまったことが原因と推測することができます。

BOX乾燥とライン乾燥

ライン乾燥機で乾燥させる場合に、曇り対策はどうすればよいですか。

次のような対策をとれば、問題は解決できます。 (1) ライン乾燥機の温度を下げます(80℃以下)。 (2) ラインが比較的長くて乾燥機のユニット何機かがついている場合は、乾燥機入り口付近のユニットの温度を40~60℃くらいの低温に設定して、初期乾燥で塗膜中の溶剤を8~9割方蒸発させてしまいます。 (3) その後、80~100℃で高温乾燥を行うことによって、完全に溶剤を蒸発させることにより、曇りのないミラー面を形成することができます。

ライン乾燥機

抑え印刷をしなくても大丈夫なのでしょうか。

抑え印刷は必ずしてください。 抑え印刷は、耐スクラッチ性を高めるためだけでなく、耐性(耐環境性)を向上させる役目をもっております。

特にミラーインキは、耐湿性に弱く、抑え印刷をしないとアルミが腐食して変色する可能性があります。 ですから、必ず抑え印刷を行ってください。

隠蔽性を高くした印刷をしたいのですが、どのようにしたらよいでしょうか。

硬度70度のスキージを用いて、印圧を高めにしてください。
ミラーインキを印刷した際に、「見本のような隠蔽性が得られない」というご相談を受けることがあります。

隠蔽性を出すための有効な方法として、スキージ硬度を変える方法があります。 ミラーインキは樹脂分が少ないために、基材へのインキの転移性が通常のスクリーンインキと比較してあまりよくありません。
したがいまして、印刷条件を変えて隠蔽性を向上させる方法が有効な手法として考えられます。

推奨印刷条件は以下のとおりです。 また、アルミが平行に並ぶことで、より高い輝度が得られることをご理解いただくために図に示しました。

★推奨印刷条件 スキージ硬度:70度 / 印圧:やや高め / ドクター圧:やや高め

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