製品概要

IMB-HF006バインダーは、原材料にハロゲン(塩素Cl、臭素Br)化合物を意図的に使用せず、ベンゼン・トルエン・キシレン・イソホロン等の環境負荷物質を含まない、環境対応のインサート成形用バインダーインキです。

用途

  • フィルムインサート成形用の接着層
  • 適応射出成形用樹脂:PC(ポリカーボネート) 、PC/ABS、ABS、AS、PMMA(アクリル)

特長・機能

  • PCシート、処理PETフィルム等へ二液硬化型インキの意匠印刷を行なった印刷シートと、射出成形樹脂との接着層になります。
  • スクリーン印刷出来るので、必要な部分だけにパターン塗工が可能です。
  • 一液蒸発乾燥型で、作業性が良好です

基材

  • PCシ-ト、処理PETフィルム

希釈

  • 希釈なし
  • ※使用前に良く攪拌して、流動性が出てから印刷して下さい。
  • ※希釈が必要な場合は下記溶剤を使用して下さい。 Z-703溶剤(標準) 希釈0~5%

推奨洗浄剤

  • スクリーン溶剤L2

メッシュ

  • T-200~250メッシュ (T-200のとき、印刷面積は約30~35m2/kg)

乾燥

  • 最終乾燥は意匠印刷インキの最終乾燥・硬化条件に準じて行って下さい。

注意

  • ハロゲン化合物が混入する可能性がある為、指定溶剤、指定添加剤以外は使用出来ません。
  • スキージゴム、乳剤、資機材、被印刷体などにハロゲン化合物が含まれる可能性があるので、確認の上ご使用下さい。
  • 真空成形、圧空成形、金型成形などのフォ-ミング加工および、射出成形樹脂と一体化させるインサ-ト成形加工では、印刷素材と意匠印刷用インキの選定、印刷条件、印刷順、乾燥方式と条件、成形樹脂の選定、金型の設計(ゲートの形状や種類と位置、ゲートの数)、射出成形時の条件設定など、複合的な要因が最終製品の性能に影響致します。試作での試験を十分に行い、夫々の条件を適切に設定してから、御使用下さい。
  • バインダーは、インキと混合して使用することは出来ません。
  • バインダーを印刷する場合、下地インキが過剰乾燥していると剥離強度が低下します。必ず連続してバインダーまで印刷を行い、最終乾燥を実施して下さい。
  • インキの品質安全期間:未開封で製造日より24か月

消防法

  • 危険物第四類第二石油類、危険等級Ⅲ級

安全な取り扱い

  • 皮膚や目を保護するために、安全手袋や保護眼鏡をご使用下さい。インキが皮膚に付着した場合は、石鹸などで十分に洗い流して下さい。また、目に入った場合は水(または微温水)で十分に洗眼した後、医師の診断を受けて下さい。
  • 使用後は、容器を完全に密閉し冷暗所に保管して下さい。
  • SDSを用意しております。本製品を取り扱う前にSDSをご請求頂き、ご理解の上使用者の責任においてお取り扱い下さい。

耐性

成形性接着試験

  • 試験方法
    下記条件にて作成したIPX-HFインキ及びIMB-HFバインダーの印刷物を、射出成形用の金型内に挿入し、下記条件にてバインダー印刷面にPC樹脂を射出してインサート成形する。
    • 射出成形条件
      型締圧力 :60ton
      金型温度:80℃、PC(帝人化成製、パンライト PC L-1225L)
      成形樹脂温度 :300℃
      射出速度:100mm/sec
      成形品寸法(L×W×H):70×70×2mm
    • 作成した試験片の印刷シ-ト側に1.0 cm巾に切り込みを入れて成形樹脂から引き剥がし、引っ張り試験機にて引っ張り速度300 mm/分で、180°はく離接着強度[kgf/cm]を測定。

成形性接着試験結果

試験インキ 試験バインダー はく離接着強度
IPX-HF979 墨 IMB-HF006バインダー 5.0~6.0kgf/cm

試験条件

  • 試験条件 (インキ)
    【IPX-HF979墨】 【F-003溶剤 10%】 【240硬化剤 10%】【80℃ 5分】【T-250】 【原反:ポリカーボネートシート】
  • 試験条件 (バインダー)
    【IMB-HF006バインダー】【希釈無し】【90℃ 60分】【T-250】
  • 上記耐性試験結果は、弊社における測定結果であり保証値ではありません。
  • 本カタログに記載されている情報は、予告なく変更する場合が有ります。

よくある質問

FAQ

バインダーとは何ですか?

二液硬化型インキの塗膜や印刷素材と、射出成形樹脂を強固に接着させるための、接着層です。

ISXにもバインダーは必要ですか?

ISXインキは一液型インキで、射出成形樹脂との接着性に優れている為、バインダーは必要ありません。

二液型インキには、なぜバインダーが必要になるのですか?

二液型インキの硬化塗膜は、緻密な架橋構造をとっており、射出時の熱では溶けません。その為、成形樹脂との密着性が悪く、塗膜と樹脂の間に接着層が必要になります。

バインダーを印刷する場合、下地インキが過剰乾燥していると剥離強度が低下します。 必ず連続してバインダーまで印刷を行い、最終乾燥を実施して下さい。

IPX-HF、INQ-HF、FMXなど、XやQ、-HFがつくインキとは何ですか?

X、Qが末尾に付くインキシリーズは、 イソホロンフリーのインキシリーズです。また、-HFはハロゲンフリーのインキとなります。

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