Vol.141

ハロゲンフリー環境対応インサート成形用バインダー

IMB-HF006バインダー

IMB-HF006インキは、原材料にハロゲン(塩素Cl、臭素Br)化合物を意図的に使用せず、ベンゼン・トルエン・キシレン・イソホロン等の環境負荷物質を含まない、環境対応のインサート成形用バインダーインキです。
※IPX-HF等のHFインキシリーズと併用する事で、ハロゲンフリーのFIM/IMDを実現できます。
※透明性が高い設計となっている為、透明窓の部分や、透明樹脂での成形にも適しています。

用途

  • PC シート、処理 PET フィルム等へ二液硬化型インキの意匠印刷を行なった印刷シートと、射出成形樹脂との接着層の印刷。
  • 適応射出成形樹脂:PC、PC/ABS、PMMA、(ABS、AS、PS等)
    ‐成形樹脂のグレードにより接着性が変化する可能性がございます。必ずご試験の上ご使用下さい。
    ‐特にABS、AS、PS等に関しては特定メーカーとの相性があります。試作での試験を充分に行って下さい。

特徴

  • 原材料にハロゲン(塩素Cl、臭素Br)化合物を意図的に使用しておりません。
  • ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、イソホロン及び塩素系樹脂を含まず、人体・環境に優しく安全性に優れています。
  • スクリーン印刷出来るので、必要な部分だけにパターン塗工が可能です。
  • 一液蒸発乾燥型で、作業性が良好です。

注意

  • ハロゲン化合物が混入する可能性がある為、指定溶剤、指定添加剤以外は使用出来ません。
  • スキージゴム、乳剤、資機材、被印刷体などにハロゲン化合物が含まれる可能性があるので、確認の上ご使用下さい。

稀釈/洗浄

  • ご使用前に良く攪拌して、流動性が出てから印刷して下さい。
  • 稀釈なしで印刷できます。稀釈が必要な場合は、Z-703溶剤5%以下で調整して下さい。
  • 過剰な稀釈は、印刷適性、接着性を低下させる原因となりますので避けて下さい。
  • 版などの洗浄には、当社のスクリーン洗剤(N)をご使用下さい。

印刷

  • T-200~250メッシュの版を使用して印刷を行って下さい。

乾燥/硬化

  • タックフリーは80℃-5分で乾燥致しますが、塗膜中の残留溶剤は成形樹脂との接着性低下の原因となります。意匠印刷インキの乾燥・硬化を含めて必ず加熱乾燥を行って下さい。
  • 最終乾燥は、意匠印刷インキの最終乾燥・硬化条件に準じて行って下さい。

成形接着性能試験

【印刷条件】
試験インキ: IPX-HF979 墨、原反:0.5t PC(ポリカエースEC100)
印 刷:T-250メッシュ、稀釈:F-003 溶剤/10%、硬化剤混合:240硬化剤/10%
乾燥:80℃-5分(BOX乾燥)
試験バインダー: IMB-HF006バインダー、(稀釈無し)
印 刷:T-250メッシュ、乾燥条件:バインダー印刷後/90℃-60分(ボックス乾燥)
【試験方法】
上記にて作成したIPX-HFインキ及びIMB-HFバインダーの印刷物を、射出成形用の金型内に挿入し、下記条件にてバインダー印刷面にPC樹脂を射出してインサート成形する。
【射出成形条件】
型締圧力:60ton、金型温度:80℃、成形樹脂:PC(帝人化成製、パンライト PC L-1225L)
成形樹脂温度: 300℃、射出速度:100 mm/sec、成形品寸法 (L×W×H): 70×70×2 mm
作成した試験片の印刷シート側に1.0 cm巾に切り込みを入れて成形樹脂から引き剥がし、引っ張り試験機にて引っ張り速度300 mm/分で、180°はく離接着強度[kgf/cm]を測定。

成形接着性試験結果

試験インキ 試験バインダー はく離接着強度
IPX-HF979 墨 IMB-HF006バインダー 5.0~6.0kgf/cm

*上記試験結果は当社試験結果であり、保証値ではありません。

使用上の注意

  • フォーミング加工およびフィルムインサート成形加工では、インキ以外に印刷素材や印刷条件、成形条件などの複合的要素が影響します。
    ⇒試作での試験を十分に行い各種条件を適切に設定してから御使用下さい。
  • バインダーは、インキと混合して使用することは出来ません。

消防法表示

  • 危険物第四類第二石油類、危険等級Ⅲ級

安全/保管

  • 皮膚や目を保護するために、安全手袋や保護眼鏡をご使用ください。もしも、インキが皮膚に付着した場合は、石鹸などで十分に洗い流してください。また、目に入った場合は水(または微温水)で十分に洗眼した後、医師の診断を受けてください。
  • 使用後は、容器を完全に密閉し冷暗所に保管してください。
  • SDSを用意しております。本製品を取り扱う前にはSDSをご請求頂き、ご理解の上使用者の責任においてお取り扱いください。

 

作成:2008.05.13.SG

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