Vol.188

スクリーン印刷のトラブルシューティング

スクリーン印刷の Q & A [機材編]

スクリーン印刷の機材でお困りの方へ

スクリーン印刷で使用する機材における疑問やトラブルの対処法についてご紹介致します。

1. スクリーン印刷に必要な道具は何ですか?

スクリーン印刷の道具は備品以外専用道具であり、汎用性がありません。
お客様が求めるサイズ、形状、精度、数量、生産量に対し各種に選定が必要です。

印刷機械、乾燥機械(UV照射機含む)、スキージ研磨機械(メンテナンス用)、撹拌機械となります。

他、備品として計量器、ヘラ(インキ用)、ゴム手袋・ゴーグル(作業用保護具)、洗浄溶剤、ウエス等が必要となります。

 

項目 解決方法
印刷

印刷仕様に合った、機械・刷版・インキ・スキージ・ドクター・原反(被印刷体)・インキ(溶剤型・UV硬化型)が必要です

 

2. どのようなスキージが良いのでしょうか?

スクリーン印刷用スキージゴムは平型、剣先、各種硬度別、各メーカーによる溶剤、UV耐性に分かれて設定されています。意匠(デザイン)、印刷条件、各種インキに対し個々の選定が必要です。

 

項目 解決方法
印刷
  • 厚盛り印刷には、軟らかい60~70度程度が良い
  • 薄膜印刷には、硬い80度程度が良い
  • 機能性インキ(MIR・メタリック・パール・蓄光等)は軟らかいタイプが良好

 

3. 印刷物によってスキージのゴム硬度を選ぶ理由はなぜでしょうか?

硬度の違いは、意匠の特性(ベタ・文字・細線・ドット)、インキの特性(機能性)、刷版の特性(メッシュ数・テンション)、により印刷製品の仕上がりが変化する為に必要とされています。

 

項目 解決方法
原反
  • 凹凸があるものは軟らかいものが良い
  • 凹凸が無く平滑な原反は硬いものでも良い
インキ
  • 機能性インキ(MIR・メタリック・パール・蓄光等)は硬度の選定が特に重要
印刷
  • 軟らかいゴム(60~70度)はインキの塗膜が厚くなる
  • 硬いゴム(80~90度)はインキの塗膜が薄くなる

 

4. どのような刷版を用意する必要がありますか?

刷版は求める製品作成に対しサイズ、紗の選定、精度、乳剤(一液・二液)、膜厚、紗張りの選定、使用インキとの関係など個々に選定が必要であり、重要な要素があります。

 

項目 解決方法
製版
  • 厚膜印刷には紗の糸径は太いTタイプで、乳剤膜厚は厚くする(薄膜印刷に紗の糸径は細いSタイプ、乳剤膜厚は薄く)

  • 意匠のモワレ防止と印刷適性を良好にするには、紗の角度を22.5度を基準に検討すると良いです

  • 見切り、ソーエッジを綺麗にするには乳剤膜厚は厚い(裏面12~18μ)ものが良い(乳剤のフィルムコーティングも効果的です)

  • 印刷精度向上には高いテンション(0.9~1.0mm程度)で版枠からの余白を出来るだけ多く(枠サイズに対し30%以上)取って現像する

 

5. スクレーパーの選定で注意することはありますか?

スクレーパー(ドクターブレード)は一般的に、機械メーカーが専用としてアルミやステンレス材の形上、長さを設定しています。オーダーメイドは機械メーカーにご依頼下さい。

 

項目 解決方法
印刷
  • 新しいものは刃先(紗に当たるところ)が鋭利であるためにサンドペーパーにて研磨しバリ取りや半丸仕上げをして使用して下さい

  • 厚膜、機能性インキは、紗にインキを強く押しこんで下さい

  • 薄膜印刷は、紗から浮かしてインキを押し込まないで下さい