製品概要

IRX-HF インキシリーズは、材料にハロゲン(塩素Cl、Br)化合物を意図的に使用しない、環境に優しいガラス用二液反応型IR透過インキです。GLS-HFインキシリーズのIRインキと比較して、透明性とレベリング性の優れた仕上りとなっております。

用途

  • 携帯電話、パソコン、家電製品等の赤外線センサー部分
  • 自動車・バイク

  • 家電(IoT)

  • スマホ・タブレット・スマートウォッチ

  • センサー

  • ゲーム

  • その他

特長・機能

  • 赤外線を透過し、可視光を遮断します。
  • 原材料にハロゲン(塩素Cl、臭素Br)化合物を意図的に使用しておりません。(Cl ≦900ppm、Br ≦900ppm、Cl+Br ≦1500ppm)
  • GLS-HFシリーズのIRインキと比較して透明性とレベリング性の優れた印刷物が作成できます。

基材

  • ガラス板

希釈

  • Z-705溶剤(遅口)
  • 希釈5~10%
  • ※ハロゲンの混入、硬化性、接着性、版上安定性、その他悪影響を及ぼす可能性があるので他の溶剤は使用しないでください。

硬化剤・補強剤混合

  • GLSガラス用補強材 0.5%(必ず添加して下さい。添加しないと接着しません)
  • ポットライフ6時間
  • ※ポットライフ6時間経過後もインキのゲル化は起こりませんが、接着性や耐性が劣ります。使用する分だけ、調合するようにして下さい。

補助剤

  • SM-40 消泡剤 1%以内(消泡、レベリングの向上用)

推奨洗浄剤

  • スクリーン洗剤 L2

メッシュ

  • T-300~420メッシュ

乾燥

  • 160℃ 30分
  • 重ね印刷 各層160℃ 10分(タックフリー) 最終創 160℃ 30分

設定色

カラーガイドのご紹介

  • ※透過率のご要望に従い、調色品にてご提供します。
  • ※印刷時の濃度調整にHF001ビクトリアをご用意しております。
  • ※HF001ビクトリアを使用した場合は、必ず印刷前に透過率測定および確認を行って下さい。

注意

  • ハロゲン化合物が混入する可能性がある為、指定溶剤、指定補強剤以外は使用できません。
  • スキージゴム、乳剤、資機材、被印刷体などにハロゲン化合物が含まれる可能性があるので、確認の上ご使用下さい。
  • 製品化前の確認:原反・工程・印刷・乾燥条件の違いにより接着性、耐性が変化する事があります。量産印刷前には必ず接着性や耐性を確認して下さい。
  • インキの品質安全期間:未開封で製造日より6か月(HF001ビクトリアのみ:12ヶ月)

消防法

  • 危険物第四類第二石油類、危険等級Ⅲ級

安全な取り扱い

  • 皮膚や目を保護するために、安全手袋や保護眼鏡をご使用下さい。インキが皮膚に付着した場合は、石鹸などで十分に洗い流して下さい。また、目に入った場合は水(または微温 水)で十分に洗眼した後、医師の診断を受けて下さい。
  • 使用後は、容器を完全に密閉し冷暗所に保管して下さい。
  • SDS を用意しております。本製品を取り扱う前に SDS をご請求頂き、ご理解の上使用者の責任において取り扱い下さい。

耐性

試験項目 試験条件 試験結果
接着性 JIS K 5600-5-6:ISO2409(クロスカット法)、1mm 幅で 6×6、セロハンテープ剥離 0(剥離無し)
引っ搔き硬度 JIS K 5600-5-4(鉛筆法)、荷重 750g で塗膜が傷の付かない硬度 2H
耐熱性 80℃、1000 時間、塗膜の外観変化と剥離の有無 異常無し
耐温水性 60℃温水、72 時間浸漬、塗膜の外観変化と剥離の有無 異常無し
耐湿性 60℃ 95%RH、1000 時間、塗膜の外観変化と剥離の有無 異常無し
耐沸騰水性 沸騰水 24 時間、塗膜の外観変化と剥離の有無 異常無し
耐摩擦性 学振型摩擦試験機、カナキン 3 号綿布、荷重 500g 1000 回での色落ちの有無 異常無し
促進耐光性 フェードメーター BP 温度 63+/-3℃ 1000 時間 変褪色、剥離の有無 異常無し
促進耐候性 サンシャインウエザオメータ BP 温度 63+/-3℃、降雨 18 分/120 分 1000 時間 変褪色、剥離の有無 異常無し

試験条件

  • 試験条件 【IRX-HF ベースインキ】【Z-705 溶剤 5%】 【XGL-HF ガラス用補強剤 0.5%】 【160℃ 30 分】 【T-350】 【原反:ガラス板】
  • 上記耐性試験結果は、弊社における測定結果であり保証値ではありません。
  • 本カタログに記載されている情報は、予告なく変更する場合が有ります。

よくある質問

FAQ

赤外線透過(IR透過)とは何に使うのですか?

IR(赤外線)透過インキを透明なPC、PETシートに印刷して作成した印刷物は、近赤外線以上の赤外線を透過し、それ以下の波長である可視光線、紫外線を遮断する機能を持ちます。

この機能を応用した例として、リモコンの受光部フィルターがあります。

IR透過機能を応用した隠し印刷とは何ですか?

IR透過インキは、前述の通り透過色のコントロールが可能で、またメタリック調インキとの重ね印刷などで色相にバリエーションをつけることもできます。

そのため、光を当てなければ見ることが出来ない印刷「隠し印刷」で様々な装飾をすることが可能です。

注1)透過色により透過率が若干変化します。
注2)メタリック調インキとの重ね印刷などで赤外線透過率が10-20%程度低下します。

IPX-HF、INQ-HF、FMXなど、XやQ、-HFがつくインキとは何ですか?

X、Qが末尾に付くインキシリーズは、 イソホロンフリーのインキシリーズです。また、-HFはハロゲンフリーのインキとなります。

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