Vol.144

ポリカーボネート、処理PET用超光沢インキ

MIR-41000ミラーシルバー

MIR-41000ミラーシルバーは、ポリカーボネート、処理PET素材に対する印刷適性の優れたスクリーン印刷用ミラーインキ(鏡面インキ)です。
塩酢ビ系樹脂を使用していない為、人体・環境に優しいインキ設計となっております。メッキ代替として環境面、コスト面でメリットがあり、家電製品、携帯電話、その他の製品への展開が出来ます。

特徴

  • 印刷適性に優れる
    従来のミラーインキと比較してチキソ性が高く印刷に適した粘度であり、印刷適性に優れています。
    抜き文字、凸文字等の印刷パターンにも適しています。
  • 優れた鏡面形成、印刷適性とコストダウン
    当社MIR-8100ミラーシルバーと比較して、鏡面形成・印刷適性に優れ、コスト削減が期待出来ます。
  • 環境に優しい
    メッキのような有害物質や塩酢ビ系樹脂を使用していない為、環境に対する安全性が高い。

◆MIR41000ミラーシルバーの性能比較表◆

当社試験による、MIR41000と当社MIRインキおよび他社インキの性能比較は以下の通りです。
ご参考にしてください。

相対評価:優[5]←→[1]劣

  鏡面性 印刷適性 印刷時に斑が
発生しない
印刷環境条件
ライン乾燥 BOX乾燥 高温多湿環境下で
安定して印刷可能
 MIR41000
4.5
4
5
4.5
5
 MIR31000
3.5
3.5
3.5
4
5
 MIR-8100
4
3.5
3
4
3
 A(他社品)
 MIR-8100相当品
3
3.5
2
4
4

 

優れた鏡面性による光の反射の例


カラーバリエーションの一例


色と高輝度性による表現の例

 

用途

  • 各種ポリカーボネート、処理PET素材への印刷で、ホットスタンプ箔や蒸着フィルム、メッキの代替に適しています。
  • 家電製品の表示パネル、携帯電話のテンキー、メンブレンスイッチ、その他の製品への展開が出来ます。

印刷

*MIR-41000ミラーシルバーの印刷条件は下記の通りです。

刷版 T-300メッシュ
稀釈剤 稀釈は必要ありません。そのまま稀釈せずに印刷出来ます。
乾燥条件 80°C・30分(強制乾燥)
硬化剤 硬化剤は必要ありません。そのまま印刷出来ます。
インサート成形に使用する場合は、200硬化剤を3%添加する事で、剥離強度が向上します。
  • インキ成分の一部が経時で分離する事があります。御使用前にインキを十分に攪拌して下さい。
  • T-300メッシュで印刷した際のマイレージは、約40~50m2/kgが目安となります。
  • ミラーインキ単体でも基材に接着しますが、傷防止や光沢度・耐性向上の為にも、必ず押え印刷『MIBインキシリーズ』を行って下さい。
  • ミラーインキの膜厚が3µm以上になると、押えインキとの間で層間剥離を起こす場合があります。

乾燥

  • 加熱乾燥をして下さい。加熱乾燥温度と時間は、80°Cで30分の乾燥が必要です。
  • ミラーインキを乾燥しないままMIBインキを押え印刷し、乾燥させると層間剥離を起こす場合があります。

以下は、乾燥工程でよくあるご質問です。その他のよくあるご質問はこちらのQ&Aへ

Q ライン乾燥機で乾燥させる場合に、曇りが生じてしまいます。これはなぜでしょうか。
A シリンダー印刷機を用いてミラーインキ(鏡面インキ)をPC基材に印刷し、 ライン乾燥で仕上げたケース。

原因は、初期乾燥から高温で乾燥したことによるものです。

シリンダーで印刷のために、ライン乾燥機を使用する必要がありますが、 推奨の乾燥条件である80℃・30分の乾燥が行えないので、100℃.2分の高温で短時間の乾燥を行ったため、 印刷塗膜中の溶剤を乾燥すると同時に高温になってしまい、原反のPCシートを侵してしまったことが原因と推測することができます。
BOX乾燥とライン乾燥

Q ライン乾燥機で乾燥させる場合に、曇りが生じないようにするにはどうしたらよいのですか。
A 次のような対策をとれば、問題は解決できます。

  1. ライン乾燥機の温度を下げます(80℃以下)。
  2. ラインが比較的長くて乾燥機のユニット何機かがついている場合は、乾燥機入り口付近のユニットの温度を40~60℃くらいの低温に設定して、初期乾燥で塗膜中の溶剤を8~9割方蒸発させてしまいます。
  3. その後、80~100℃で高温乾燥を行うことによって、完全に溶剤を蒸発させることにより、曇りのないミラー面(鏡面)を形成することができます。

ライン乾燥機