Smart Sensing2022 出展レポート

開催概要

Smart Sensing 2022は、センシングテクノロジーで新しい世界を創ることをコンセプトとした技術展です。当社は、センサーの性能向上とデザイン性向上、更にコスト削減にも貢献するセンサー対応インキ(IR透過インキ)と非接触センサーを組み合わせた最新の印刷技術を展示いたしました。

会期
2022年6月15日~17日
会場
東京ビックサイト
公式HP
https://www.smartsensingexpo.com/index.html

出展内容の一覧

1.自動運転・安全運転に貢献するセンサー対応インキのご紹介

1.センサー対応インキ(赤外線透過インキ・IR透過インキ)とは

センサー対応インキは、IR透過インキ(赤外線透過インキ)とも言い、センサーの誤動作の原因になる 可視光・紫外線を遮断し、 赤外線のみを透過する加飾インキです。 従来赤外線透過部に使用されていたIR透過フィルムをセンサー対応インキに代替することで、 赤外線透過部への加飾が可能になります。また、印刷工程はフィルム貼付け工程と比較して工数が少なく簡便なため、コスト削減にも貢献します。

(A)赤外線と誤動作の原因となる可視光・紫外線
(B)センサー対応インキにより遮断(吸収・反射)された可視光・紫外線
(C)透過した赤外線

センサー対応インキの仕組み

(1)製品の筐体部(PC、PETフィルム、ガラス) (2)センサー対応インキ (3)センサーモジュール

 

2.赤外線カメラによるセンサー対応インキの透過度の実証例

既に実用されている防犯用赤外線カメラのレンズ部分を目隠しする際に、高透明IR透過インキは有効です。
通常のIR透過インキより透明性が高い為、鮮明な画像を認識する事が出来ます。

今後の市場展開として、運転手の動向を確認するドライバーステータスモニター向けカメラレンズの目隠しやLiDARセンサー等高精度の画像認識が必要な部品に検討が出来ます。

ディスプレイの左側がLiDARセンサー、右側が赤外線カメラになっており、手の前にIR透過インキの印刷物をかざしてもはっきりと手が映っていることがわかります。

 

2.ステルス印刷(隠し印刷)のご紹介

1.ステルス印刷(隠し印刷)とは

ステルス印刷(隠し印刷)とは、バックライト照射時に意匠が現れる印刷表現です。 マットクリアー・透過色・墨抜きパターンを多層印刷することで実現します。 このステルス印刷により、驚きを演出する動きのあるデザインが可能となります。

(1)表: マットクリアー、(2)PC基材、(3)裏1層目: 透過色、(4)裏2層目: 墨抜きパターン

ステルス印刷(隠し印刷)の構造

(A)印刷、(B)成形、(C)バックライト照射(文字が現れる!(驚きを演出する動きのあるデザイン))

ステルス印刷(隠し印刷)の原理

 

2.様々なベースデザインに対応可能なステルス印刷

ステルス印刷は、ベース色と透過色に様々な色を選択することが可能です。 ブラックアウト(黒色ベース)では、ピアノブラック(漆黒)やマットブラック等を選ぶことができます。 また、複雑な意匠の部位に施されたステルス印刷も、バックライト照射時にベースの意匠に紛れること無く 鮮やかに表現されます。

ピアノブラック(漆黒色)にステルス印刷を施した例

ステルス印刷(隠し印刷)の比較(バックライト無し)

左と右で違う色が表現されています。(バックライト照射時)

ステルス印刷(隠し印刷)の比較(バックライト照射時)

複雑な意匠にステルス印刷を施した例

ステルス印刷(隠し印刷)の比較(バックライト無し)

ベースの意匠に影響されずにステルスデザインが表現されています。(バックライト照射時)

ステルス印刷(隠し印刷)の比較(バックライト照射時)

協力会社:中沼アートスクリーン株式会社様

 

3.ステルス印刷の応用。光源で画像を変える「チェンジング」のご紹介

1.一つの部位に2つの画像をステルス印刷する「チェンジング」の仕組み

ステルス印刷を応用することで、一つの部位に複数のステルス画像を施すことも可能です。 例えば、赤色光を遮断するインキと青色光を遮断するインキで抜きパターンを2つ準備することで、 赤色光と青色光で画像を切り替える「チェンジング」が可能になります。

(1)表: マットクリアー              (2)PC基材                                     (3)裏1層目: 透過色
(4)裏2層目: 赤抜きパターン     (5)裏3層目:青抜きパターン 

光源で画像を変える「チェンジング」の構造

赤色光・青色光と変えることで画像を切り替えることが可能です(チェンジング)

光源で画像を変える「チェンジング」の原理

2.大型成形物の赤色と青色のチェンジング例

ステルス印刷を応用したチェンジングは、以下のように大型成形物に施すことも可能です。

自動車の後部をイメージした大型成形物

自動車の後部をイメージした大型成形物

協力会社:株式会社浅野研究所様

 

赤色光源を照射で「STOP」の文字が表示

赤色光源を照射で「STOP」の文字が表示

 

青色光源の照射で「MOVE」の文字が表示(チェンジング)

青色光源の照射で「MOVE」の文字が表示(チェンジング)

 

赤色と青色光源の照射(チェンジングで隠れていた画像)

赤色と青色光源の照射(チェンジングで隠れていた画像)

 

4.様々な分野に応用される非接触スイッチの加飾技術のご紹介

1.非接触スイッチとは

非接触スイッチとは、内蔵された赤外線センサーが、かざされた手を検知することで、非接触でオン・オフを実現するスイッチです。
センサー対応インキを赤外線の投光・受光口に印刷することで、 内蔵されたセンサーを意識させないデザインが可能になります。

(1)センサー対応インキを印刷したカバーガラス
(2)センサー本体(ICチップ)
(3)センサーが投光・受光する赤外線

非接触型のスィッチの仕組み2.非接触スイッチの可能性を広げるセンサー対応インキ

センサー対応インキは、非接触スイッチが内蔵するセンサーの特性に合わせて透過波長や透過度の調整が可能です。 また、センサー対応インキにより非接触スイッチの加飾に自由度が増すために、様々な分野への応用が可能になります。

加飾の方向 実現したいこと センサー対応インキが支援可能なこと
見せる 感染症対策用の非接触スイッチ として目立たせたい。 物理的な制限なく、自由なデザインのスイッチが可能
隠す センサーを意識させずに 特定の条件のみを検知したい。

センサーを隠すシームレスなデザインが可能 (デザイン性の向上やセキュリティ対策への応用)

ユーザーに意識させずに特定の状況を検知して対応が可能 (状況で電源を制御する省電力への応用(詳細後述))

隠す+見せる 不要な時は隠して、必要な時に 必要な情報を提供したい。 ステルス印刷との組合せで「必要な時に必要な情報を」 が可能 (シャイテック(Shy Tech)(詳細後述))

 

3.非接触ボタンへの応用

不特定多数の方が触れる製品の非接触化が始まっています。
測距センサーとIR透過インキを組み合わせる事で、非接触ボタンへの応用が可能になります。
センサー部品を目立たせたくない。但し、機能は下げたくない部品にIR透過インキは最適です。

協力会社:株式会社エレバイザージャパン様、東亜エレクトロニクス株式会社様

 

5.「シャイテック(Shy Tech)」技術のご紹介

1.シャイテック(Shy Tech)とは

シャイテック(Shy Tech)とは、常時表示する計器やインジケータを排除し、必要な時に必要な情報を 提供する技術です。この技術を利用することで、情報過多になりがちな自動車のコックピットや 内装部位に、利便性を損なうことなく、よりシンプルで美しいデザインを採用することが可能になります。

2.非接触スイッチとステルス印刷によるシャイテックの実現

シャイテックの掲げる「必要な時に必要な情報の提供」を実現するために、 センサー対応インキを使用した非接触スイッチとステルス印刷が、有効な技術となります。 例えば、ただの加飾面であった部位を、非接触スイッチを使って情報の必要性を検知し、 ステルス印刷で隠されていた情報を提供する部位に転換させることも可能です。

情報の必要性を非接触スイッチが検知して(写真左)、ステルス印刷で必要な情報を提供(写真右)

「シャイテック(Shy Tech)」技術のご紹介

協力会社:日清紡マイクロデバイス株式会社様

 

3.スマート・サーフェス(Smart Surface)とは

スマート・サーフェス(Smart Surface)とは、文字通りにはスマートな表面、つまり多機能・高性能な 表面素材を意味します。しかし、当社はこの意味を発展させ、シャイテック(Shy Tech)を支える技術として、 必要な時に必要な情報を表示する「機能面のスマートさ」と加飾に関する「デザインのスマートさ」を 両立する技術と考えます。

そして、このスマート・サーフェスの実現に貢献するのが、高精彩インキになります。 高精彩インキは、木目や大理石等の高級感のある素材の再現力に加え、高品質なステルス印刷に必要な 微細印刷性と高隠蔽性を持つ高隠蔽墨インキとしても力を発揮します。

高精彩インキによる本物の木のようなデザイン(写真左)とステルス印刷で表示された情報(写真右)

スマート・サーフェス(Smart Surface)技術のご紹介

協力会社:コーデンシTK株式会社様、エヌエスアドバンテック株式会社様

 

6.製品の軽量化に貢献する、電磁波シールド用インキのご紹介

1.電磁波シールド用インキとは

電磁波シールド用インキは、導電インキの一種であり、導電性を有する塗膜が電磁波の侵入・漏洩を遮断(シールド) するインキです。金属箔など他のシールド材と比較して、軽量薄型で高耐湿性など機能性に優れています。

以下は、パソコン画面から放射される電磁波(この例は、放射電界を計測)を電磁波シールド用インキの印刷物で シールドした例です。 放射電界が、通常時の計測値(128 V/m)(左)から計測不能(0 V/m)(右)までにシールドされています。

電磁波シールド用インキの効果

第13回オートモーティブ ワールドより

 

2.電磁波シールド用インキのシールド性能

電磁波シールド用インキのシールド効果は、インキの抵抗値・印刷条件により調整することが可能です。 以下は、高周波領域での高いシールド効果を意識した印刷条件(MRX-HF 導電インキ 茶の4層印刷)と、 他社製品(銀銅系塗料と銅系メッシュシート)のシールド効果の比較です。 電磁波シールド用インキが、他の工法と比較して高周波領域で高いシールド効果を発揮しています。

電磁波シールド用インキのシールド性能値

電磁波シールド用インキのシールド性能値の比較

3. 電磁波シールド用インキのメリット

印刷による電磁波のシールドは、金属箔等を使用する他の工法と比較して、耐性・軽量薄型化・工程削減に 優れた工法となります。

優れた特徴 詳細
高耐湿性・軽量薄型
  • 金属箔・金属の蒸着等と比較して湿度に強く、経時での性能劣化も少ない
  • 他の工法と比較して、同等の性能を軽量・薄型で実現
安価で自由度の高い
スクリーン印刷
  • 金属箔の貼付け・導電材塗装等と比較し、印刷という簡便で安価な工法
  • 他工法では困難な、抵抗値・導電性付与の部位・パターン等の調整が可能
抵抗値の自由な設定
  • インキの抵抗値・印刷条件(膜厚等)により、幅広い抵抗値設定が可能
  • 表面抵抗率であれば、1.0 x 10-2 から 1.0 x 1010 (Ω/sq) 以上が可能
加飾・その他の機能性との両立
  • 加飾インキへの導電性付与や重ね印刷等により、導電と加飾を両立
  • センサー対応(IR透過)機能等、他インキの機能と導電の両立も可能

 

4. 電磁波シールド用インキの印刷例

以下は、MRX-HF導電インキ 墨・グレー・茶の印刷サンプルです。 電磁波シールド用インキは、電磁波シールドと加飾を印刷という一つの工程で両立することが可能です。 なお、設定色以外での加飾の場合は、通常インキの重ね印刷で自由な表現が可能になります。

MRX-HF 導電インキ 墨・グレー・茶の印刷例

電磁波シールド用インキの印刷例

印刷条件:T-300メッシュ、Z-004溶剤 5%、210硬化剤 5%、80°C-30分

ご紹介したインキ・工法・試作品について
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